Samsungが、待望のAndroid XRヘッドセットについて、今年中の発売を示唆する発言をしました。
この情報は、同社が開催したGalaxy Unpackedイベントで明らかになりました。
Samsungのモバイルエクスペリエンス事業部門の責任者であるTM Roh社長は、「今年登場する新しいXRプラットフォーム」について言及。さらに、Googleのプラットフォームおよびデバイス部門上級副社長のRick Osterloh氏も、Googleが引き続きこのプロジェクトに関与していることを確認しました。
この発表は、昨年11月に韓国の新聞「中央日報」が報じた内容と一致しています。同紙によると、Samsungは2024年後半のイベントでヘッドセットを発表し、12月に発売する計画だとされていました。UploadVRも独自の取材により、Samsungが開発者向けに2024年後半の発売を予定していると伝えていたことを確認しています。
SamsungのAndroid XRヘッドセットデバイス!開発者向けに2024年後半の発売を予定

- 2023年初頭:SamsungがXRヘッドセットの開発を正式発表
- 2024年初め:QualcommがSnapdragon XR2+ Gen 2チップセットの採用を確認
- 2024年Galaxy Unpackedイベント:今年中の発売を示唆
このプロジェクトは、2023年初頭からその存在が知られていました。Samsungは当時、GoogleがAndroid XRと呼ばれる新しいバリアントのシステムソフトウェアを担当し、Qualcommがチップセットを提供すると発表していました。
今年に入り、QualcommはSamsungのヘッドセットに採用されるチップがSnapdragon XR2+ Gen 2であることを明らかにしました。これは、Meta Quest 3で使用されている基本モデルXR2 Gen 2の上位バージョンです。
開発の遅延と再設計の噂
昨年のGoogle I/Oでは、Android XRとSamsungとのパートナーシップについて「後日詳細を共有する」と述べられていましたが、結局その後の発表はありませんでした。この遅延の背景には、Apple Vision Proの発表が影響している可能性があります。
報道によると、SamsungはApple Vision Proの発表を受けて、当初の予想を上回る性能に驚き、ヘッドセットの開発を遅らせて再設計を行ったとされています。これにより、GoogleもAndroid XRの設計や優先順位を変更した可能性があります。
XR市場の競争激化
Android XRは、Samsungが最初のハードウェアメーカーとして採用しますが、Googleは他のメーカーにも提案を行っているようです。The Informationの報道によれば、まだ他社からの受け入れは確認されていませんが、XR市場での競争は激化しつつあります。
一方、Metaもハードウェアパートナーの獲得に力を入れており、最近ではASUSとLenovoとの提携に成功しています。
XR技術の進化と市場競争の激化により、消費者にとってはより高性能で多様な選択肢が生まれる可能性があります。今後のSamsungのXRヘッドセットの詳細発表と、他社の動向に注目が集まりそうです。